効果的な英語勉強のための「テストのすすめ」

encouragement_of_test 科学思考
リン先生
こんにちは!英語上級者になりたい方のサポート役、リンです♪

受験勉強、資格勉強。


どの勉強であっても合格したい、良い成績をおさめたいと思う方は多いと思います。


今回は英語を含む勉強において効果的とされる勉強法の1つについて触れます。

エイコ
待ってました!
どんな勉強法ですか?

その勉強法は「練習テスト」です。

エイコ
テストは嫌です…

「練習テスト」って聞くと、「えー、テスト?学校で嫌な思い出が…」って思い浮かべる人は多いかもしれません。


ただ、この「テスト」という言葉に反応して毛嫌いして「練習テスト」を避けるのはもったいないでしょう。


今回は「練習テスト」について掘り下げて、その効果の高さをお伝えしたいと思います。

study-scene

さてエイコちゃんに確認したいんだけど、テストって「人を評価するためのツール」って思い込んでいないかな?

エイコ
はい、そうです。

テストで悪い点を取った、テスト勉強で苦しい思いをした。


そういう思い出が多くなると、テストに対する距離感は大きなってしまうわね。


確かにテストはその一面はある。


ただね、その一面ばかりにとらわれず有効活用すると高い記憶の定着につながることを覚えてもらいたいの。

エイコ
はい!

それでは始めます「効果的な英語勉強のための『テストのすすめ』」です。

リン先生の実績
rin
  • 英検1級所持
  • TOEIC970
  • Twitterで英語ツイート継続中、フォロワー1,400人突破
  • 英会話歴3年
  • 科学論文を読むのが好き
  • 読書家であり、これまで読んできた本は1,500冊以上

  • 効果的な英語勉強のための「テストのすすめ」

    リン先生
    効率的な英語勉強のための「テストのすすめ」について話していきますね。


    「練習テスト」の意味

    リン先生
    「練習テスト」の意味について話します。

    この記事における「練習テスト」の意味ですが、「問題を解き答え合わせをすること」になります。


    それは学校側が出した試験や、自分で作ったテストも対象になります。


    以上を踏まえて、記事をお読み下さい。

    すすめの理由1:「練習テスト」は他の勉強法よりも効果的

    リン先生
    「すすめの理由1:「練習テスト」は他の勉強法よりも効果的」です。

    2013年にケント州立大学の研究チームは、400近くの過去の科学論文を分析して、どの勉強が効果的であるかを考察しました。


    論文はこちらになります。

    参考文献
    study-monograph
    Improving Students’ Learning With Effective Learning Techniques: Promising Directions From Cognitive and Educational Psychology
    参考文献リンク
    エイコ
    全部英語で読めません!

    確かに50ページを超える英語の論文を読み通すのはつらいかもしれないわね。


    でも安心して。


    この50ページ超の内容をコンパクトにまとめた記事があるから参照してね。


    この記事です!

    study-anti-pattern

    科学的に結論付けられた効果が低い勉強法とは?


    この論文は、よくある勉強法10個について効果を検証したの。


    そのよくある勉強法は次になるわ。

    • 精緻化質問(Elaborative interrogation)
    • 自己説明(Self-explanation)
    • 要約(Summarization)
    • ハイライティング(Highlighting)
    • 語呂合わせ(The keyword mnemonic)
    • イメージを描く(Imagery use for text learning)
    • 再読(Rereading)
    • 練習テスト(Practice testing)
    • 分散練習(Distributed practice)
    • インターリーブ練習(Interleaved practice)

    そして、結論は次表になったわ。


    黄色で色を付けた勉強法が比較的効果的な勉強法って意味。

    utility-assessment2
    引用元: “Improving Students’ Learning WithEffective Learning Techniques: Promising Directions From Cognitive and Educational Psychology” p45のTable.4を元に日本語変換

    表中のP、N、Q、Iの意味は次のとおり。

    記号の説明
    P…Positive、十分なエビデンスがあり効果が証明された。
    N…Negative、概してその勉強法が非効率であることが証明された。
    Q…Qualified、一定条件で効果が証明されているが、他の条件では証明されていない。
    I…Insufficient、効果を認めるにはエビデンスが不十分である。

    注目は10個の勉強法のうち「練習テスト」が一番効果があるということ。


    PはPositiveで「十分なエビデンスがあり効果が証明された」ってことなんだけど、他の勉強法と違い、ほぼ全ての項目がPになっているの。

    エイコ
    それは凄いですね!


    すすめの理由2:昔から効果が認識されている

    リン先生
    「すすめの理由2:昔から効果が認識されている」です。
    実は「練習テスト」の効果は100年以上昔から効果が認識されていました。
    エイコ
    そうなんですか?

    そうよ。


    一例だと、16-17世紀のイギリスの哲学者フランシス・ベーコン。

    francis_bacon
    フランシス・ベーコン(1561-1626)

    彼の著書「ノヴム・オルガヌム」で次のことを述べているわ。

    書籍
    ノヴム・オルガヌム(新機関)
    ノヴム・オルガヌム(新機関) / ベーコン
    Amazon 紙書籍

    Hence if you read a piece of text through twenty times, you will not learn it by heart so easily as if you read it ten times while attempting to recite it from time to time and consulting the text when your memory fails.”
    (もし本の言葉を暗記したいのならば、20回読むよりも、暗証したことを思い出そうとし、思い出せないときに本を開いて読むという読み方10回やる方がいい)

    Novum Organum(Cambridge, England: Cambridge University Press, 2000; original work published 1620).

    「暗唱したことを思い出す」のも一種の「練習テスト」。


    覚えるべきことができるかどうかを確認するからね。

    エイコ
    300年前の人も気づいていたんですねー

    そうだね。


    そして、19世紀に活躍したイギリスの教育家・エドウィン・アボット・アボット。

    abbott
    エドウィン・アボット・アボット(1938-1926)

    彼は論文”On the analysis of the factor of recall in the learning process”で次のことを述べているわ。

    参考文献
    abbott
    On the analysis of the factor of recall in the learning process
    参考文献リンク

    V. Conclusion. We are led then both by our introspective and objective results to conclude, 1) That the factor of recall is always an aid in the learning process.
    (結論:内省的、客観的の両方の視点で我々は結論を導いた。
    1)想起することは学習プロセスに常に良い影響を与える。)

    “On the analysis of the factor of recall in the learning process”, Edwin Abbott Abbott

    100年以上前にアボットは実験を行い上記の結論を導いたの。


    アボット以降、「練習テスト」に関する論文は次々と登場。


    2022年現在、ケント州立大学の研究チームの論文が示すように「練習テスト」は様々な軸で検証され効果が認められたってわけ。

    すすめの理由3:流暢性の幻想を排除する

    リン先生
    「すすめの理由3:流暢性の幻想を排除する」です。

    練習テストを学習に取り入れたい理由、それは「流暢性の幻想」を排除することができることです。


    これは私も強調したいです。

    エイコ
    流暢性の幻想?

    「流暢性」は心理学の言葉。


    人が情報を適切に、素早く、数多く処理し出力する能力・特性のこと。


    「流暢性の幻想」は、一例を出すと、新しく学ぶことをについて参考書や教科書を一読して、自分は理解したと勘違いしてしまうこと。


    分かりやすい図は次のとおり。

    fluency_illusion

    エイコちゃんも経験あるかな?


    テスト勉強で参考書や教科書を読んで理解した気になったけど、いざテストに挑むと、解けなかったってこと。

    エイコ
    めちゃくちゃあります…

    だけど「練習テスト」で、自分でテストを作って解いてみると、そういった苦い思いはしなくなるかもしれない。


    本当にできているか確認できるからね。

    エイコ
    なるほど、ためになります!

    そうだ、「流暢性の幻想」については、この書籍に詳しく書いてあるから気になったら見てみてね。

    書籍
    脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!
    脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!/ ベネディクト・キャリー
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    すすめの理由4:直接効果と媒介効果

    リン先生
    「すすめの理由4:直接効果と媒介効果」です。
    エイコ
    直接効果、媒介効果?

    そう、直接効果、媒介効果。


    実はね「練習テスト」が効果があることは現代では証明されたんだけど、その理由解明は発展段階なの。


    すすめの理由1で扱った論文にもそのことは書いてあるわ。

    参考文献
    study-monograph
    Improving Students’ Learning With Effective Learning Techniques: Promising Directions From Cognitive and Educational Psychology
    参考文献リンク

    だけど、ワシントン大学の心理学者・ヘンリー・ローディガー氏、パデュー大学のジェフリー・カーピック氏。


    このお二方の有名な研究で「練習テスト」が効果がある理由が提示されたの。

    stephen-krashen
    ヘンリー・ローディガー(1947-)
    james-asher
    ジェフリー・カーピック(?)
    参考文献
    study-monograph
    The Power of Testing Memory Basic Research and Implications for Educational Practice/Henry L. Roediger, III, and Jeffrey D. Karpicke
    参考文献リンク

    これによると、「練習テスト」には直接効果、媒介効果があることが分かったの。


    直接効果は「テストを受ける行為そのものから生じる学習の変化」。


    例えば、英語学習にしても漫然と勉強するのではなく、TOEIC L&R®や英検®の試験に申し込むと、それらの試験に対して集中的に勉強しようと思うようになるわよね。


    そんな効果。


    私見にはなるけど、一年に渡って何回も英語試験を申し込んで受験される方の中には、直接効果を知ってか知らずしてか、勉強せざるを得ない状況を作り英語力を伸ばすためにやっていると思うの。

    エイコ
    分かる気がします!

    次に媒介効果。


    媒介効果は「テストという媒介を通じてテスト後に学び方が変わる効果」。


    人間って学んだことを思い出せないとき、学んだことが頭に入っていないのではなく、学んだことの探索が上手くできない状態になっているの。


    だけど、テストを受けると、その後、脳の中では


    「これは大事なことだから、すぐに探索で見つかるようにしよう」


    「これは理解できていなかったので、すぐに探索で見つかるようにしよう」


    っていう変化が起きるの。


    これが記憶の定着に繋がるというわけ。

    エイコ
    凄いですね、媒介効果!


    すすめの理由5:そこまでコツが必要ではない

    リン先生
    「すすめの理由5:そこまでコツが必要ではない」です。

    「練習テスト」は他の勉強法に比べてそこまでコツが必要ではありません。


    これは「すすめの理由1…」の表で提示したとおりです。


    「実施課題」の列がPであれば、実施がしやすいという意味です。

    utility-assessment2
    引用元: “Improving Students’ Learning WithEffective Learning Techniques: Promising Directions From Cognitive and Educational Psychology” p45のTable.4を元に日本語変換

    逆に「要約」は、実施がしにくい勉強法の1つです。


    「要約」はその学ぶ対象に関して、知識を既に有している人向けの勉強法になります。


    ただ、知識を既に有している人ほど「要約」は不要になるので扱いが難しい勉強法かもしれません。


    さて「練習テスト」に話を戻しますが、これは小学生でも実施可能ですよね。


    練習問題を受ける、もしくはテストを自作して受ける。


    方法をそれほど間違えず実施しやすいと思います。

    エイコ
    確かに「練習テスト」は私でもできる気がします!


    「練習テスト」の効果を応用したサービスや参考書

    リン先生
    「練習テスト」の効果を応用したサービスや参考書について3つ紹介します。
    エイコ
    気になります!


    Anki

    1つ目はAnki。


    オープンソース・ソフトウェアの学習ソフト/アプリです。


    問題文と解答をペアにした暗記カードの問題集を自作し、それで学習することができるものです。


    インターネット接続されたPC、Android端末、iPhone端末で利用が可能です。

    anki
    引用元: https://apps.ankiweb.net/
    エイコ
    リン先生がいつも使っているソフト/アプリですね!

    Ankiが効果的な理由の1つは「練習テスト」から来る「能動的に思い出すこと」により記憶の定着が図れるからです。

    英語のハノン

    2つ目は「英語のハノン」です。


    関連記事です↓

    book-review-hanon-2

    「英語のハノン」レビュー、絶賛の理由を科学的に考察しました!


    書籍
    英語のハノン 初級 ――スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル
    英語のハノン 初級 ――スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル/ 横山雅彦、中村佐知子
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    書籍
    英語のハノン 中級 ――スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル
    英語のハノン 中級 ――スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル/ 横山雅彦、中村佐知子
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    英語のハノン 上級 ――スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル
    英語のハノン 上級 ――スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル/ 横山雅彦、中村佐知子
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    2021年4月に「英語のハノン初級」が発売開始。


    Twitterの英語学習アカウント界隈では早いうちに話題になり、「Amazonの『英会話』カテゴリー1位」を達成。

    エイコ
    英語学習アカウントでつぶやいている人、多いですね−。

    「英語のハノン」が評されるのは、効果があるからなんだけど、やはりそのはず。


    この本も「練習テスト」を組み込んでいるの。


    「『英語のハノン』の本体は本ではなく音声」っていう声があるけど、それも納得で、この音声が凄まじい量の「練習テスト」を促しているの。


    読者はシャドーイング、音声指示による文節の組み換えで、音声を聞いている間はひっきりなしに「練習テスト」が発生。


    読み切った読者は、力がついたことを実感した人もいるみたいね。

    エイコ
    私もやってみようかなー。


    基本文法から学ぶ 英語リーディング教本

    3つ目は「基本文法から学ぶ 英語リーディング教本」です。

    書籍
    基本文法から学ぶ 英語リーディング教本
    基本文法から学ぶ 英語リーディング教本/ 薬袋 善郎
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    これは英語の文法を学ぶための参考書なんだけど、理解度チェックテストが容赦ない印象ね。

    エイコ
    えっ、どんな感じなのですか?

    こんな感じね。

    質問◯
    次の質問に答えなさい(スラスラ言えるようになるまで練習してください)。

    (問題)

    基本文法から学ぶ 英語リーディング教本/薬袋 善郎 を元に再現

    「スラスラ言えるようになるまで練習してください」って言葉が念押しで書かれているの。


    「練習テスト」を促し、「理解しないうちは次に進まないで」という著者のメッセージもあり、真面目に取り組んだ方は相当の実力が着くのではないかと私は思うの。

    効果的な英語勉強のための「テストのすすめ」に対する注意点

    リン先生
    効果的な英語勉強のための「テストのすすめ」に対する注意点です。

    今まで何度も「練習テスト」の効果について触れてきましたが、注意してもらいたいことがあります。

    エイコ
    注意ですか?
    それは何ですか?

    「『練習テスト』は効果がある」という言葉は大雑把であるということです。


    一言にまとめたアドバイスは「偉人の名言」や「諺」のようなもので、ざっくり知る上では良いかもしれませんが、真に受けると利を得にくいかもしれません。


    「正直は一生の宝」という諺を例に考える場合、真に受けて「あらゆる場面で正直でいよう」と思うと、時には苦い経験をするかもしれません。


    そうではなく、より細かく考えて「どういう場面で正直でいるべきか」を自分なりに吟味することが大事だと思います。


    …ということで、「『練習テスト』は効果がある」という言葉も同様です。


    真に受けてしまうと、勉強時間の100%を「練習テスト」にしてしまうかもしれません。


    そうではなく、

    • 参考書/教科書を読む勉強、「練習テスト」をする勉強、どの割合が良いのか?
    • 「未知の学習内容」「未知ではないが間違える学習内容」「定着して忘れない学習内容」これを十把一絡げに「練習テスト」で学んでよいのか?
    • 「練習テスト」は「記述回答」「選択回答」どちらでも効果は変わりないのか?

    等を自ら吟味してみるとよいかもしれませんね。

    エイコ
    はいっ!


    まとめ

    リン先生
    以上「効果的な英語勉強のための『テストのすすめ』」のお話でした!。

    「練習テスト」の効果、お分かりいただけたかと思います。


    ただ、細かな部分については自ら吟味して「練習テスト」をどう活かすか検討してください。


    ということで、エイコちゃんいかがだったかしら?

    エイコ
    参考書や教科書を読んで理解していた気になっていたので、今後は「練習テスト」を織り交ぜるようにします!

    ありがとう。


    さて、本ブログでは再現性/信頼性が高い科学的根拠に基づいた英語学習法の情報を発信していきます。


    これらの記事があなたの英語学習に役立てば幸いです。


    それでは。

    リン先生
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