
今日は休日。
カフェに行って勉強をします。
実はカフェって単純に暗記をする勉強には適した場所なんですよ。
アメリカの心理学者オルポートが言う「社会的促進」があり効率が上がるんですって。
こういった英語以外の知識も勉強に役立つから覚えておきたいですね。
おや、スポーツバッグを持ったリン先生が、これは偶然ですね。

どうしたんですかこのスポーツバッグは?

へぇ〜、リン先生ってジムにも通われるんですねー。ダンスとかですか?

筋肉を保持するってことは、引き締まった体をつくるために必要なのよ。
エイコちゃんは筋力トレーニングに興味あるかしら?
ん〜、私は遠慮しておきます。体がきつくなるのが苦手ですから・・・。


英語学習に凄く役立つんだけどエイコちゃんは興味あるかしら?
興味はありますけど、筋力トレーニングと英語学習ってどこからどう見ても似つかないですよね。



エビデンス?

この考えを用いれば、効果的な英語学習や、質の良い英語スクールを選ぶことができるようになるの。
エイコちゃん興味ある?
聞かせてください!

お話させていただくわね。

医療・健康科学のエビデンスの考えは英語学習に活用できる!

これって英語学習にも活用できると私は思うからその理由も後で説明するわね。
話のはじめとして・・・。
「健康に良いことをしたい」
「病気や怪我になった場合、効果がある治療、薬の投与を受けたい」
これは人として誰もが思うこと。
エイコちゃんもそうよね?

うんうん。
でも、世の中の医療には伝統や習慣、個人の勘と経験に頼ったものもあることは事実。
例えば、
「マイナスイオンが季節性情動障害に効く」という話
これらは一時期テレビや本で取り上げられ関連商品が飛ぶように売れたわね。

でもこれらの話、多くの科学者は信頼性が足りないと見做しているの(引用元)。
このように「効果があまりない」だけならまだいいけど、健康被害が出たら大変。
もちろん医療従事者、研究者の方は健康被害が出ないような医療を提供できるよう日々研鑽されていることだと思う。
しかし、医療の情報を受け取る私たち一般人も、その情報が信頼に足りるかどうか自分で見極めることができたら情報に惑わされることもなくなるんじゃないかしら。

そのときにエビデンスって考え方があれば、信頼に足りるかどうか判断できる目安になると思うの。
エビデンスは言葉通り「証拠」って意味。
とりわけ医療・健康科学においてエビデンスとは「根拠に基づく医療(EBM)」のことを指すわね。
難しいことは置いておいて、医療従事者でない一般人でも次の図のようにエビデンスのレベルがあることを知っておけばいいと思うわ。


大丈夫よ。
そこは分かるように解説するから。
説明に入る前の補足として、このピラミッドの図は理解しやすさのために簡略化したもの。
EBMで使われるエビデンスのピラミッド図はもっと細分化されているから、そこは了承してね。
このピラミッドが英語学習にも当てはまる部分があると私は考えたわ。
それをこれから説明するわね。
エビデンス「動物実験・生体外実験」に相当する英語学習はない


まぁ、これに相当する英語学習はないんだけどねその理由は後ほど。
さて、ここはカフェだからコーヒーを使って説明しましょうか。
エイコちゃんはコーヒーはよく飲むかしら?

タピオカミルクティーは毎日飲みます♪

とにかく・・・。
コーヒーは健康に良いって話はよく聞く話よね。
このことを研究や実験で明らかにしていく過程を説明していくわね。
まず、最初は動物実験・生体外実験をすることになると思うの。
いきなり人間で検証するわけにはいかないからね。
例えば、
になるわね。
実は、これエビデンスの世界では最も低い質のものになるわ。
次の図のとおり。

さて、次になんだけど医療・健康科学で使われているエビデンスの考え。
英語学習に当てはめてみるとどうなるか?
それは次の図のとおり。

になるわね。

まぁ、そうよね。
医療・健康科学における「動物実験・生体外実験」に相当するものなんて無いんだから。
でもね、ここからが話の本番。
次からの話を聞いておくと英語学習に役に立つかもしれないわ。
エビデンス「専門家による意見」に相当する英語学習は信頼性低い

これに相当する英語学習は信頼性が低いんだけどそのこれについても説明するわ。
さっそくだけどエイコちゃん、こんな感じのフレーズは聞いたことがあるかしら?
筋トレ系カリスマYoutuberがオススメするステーキダイエットで理想のカラダを目指そう!

でもこのような1人の専門家による意見はエビデンスの質としてはまだ低いわね。
人にはバイアスがあるから、自分に都合がいいデータを集めてそれが真実だと信じたりすることもあるからね。
さきほどのコーヒーを例にすると、
に相当するかしら。
図にするとこんな感じ。

英語学習だと次のものに相当するかしら。
とかね。

うん、そういったブログ記事はたくさんあると思う。
だけど、エビデンスとして見ると質は低いわね。
図にするとこんな感じ。

まぁ、そのようなブログ記事を書いている方。
多くの方は善意で書いていると思うわ。
だけど所詮はサンプル数1。
エビデンスとしての質は低いからこれを鵜呑みにするのはよろしくないわね。
考えてもみて。
食べログの口コミが1件しかなくて、その1件を全面的に信用できるかしら?

うーん、まぁ参考程度にするならいいんじゃないかな。
でも気をつけて読んだほうがいいわね。
エビデンス「観察研究」に相当する英語学習はある程度信頼性がある

これに相当する英語学習はある程度信頼性があると思う。
「観察研究」は相関関係を探る研究。
被験者に介入をしてその経過観察を見守るというもの。
ここまでくると、エビデンスの質も高くなってくる。
コーヒーの例だと、
に相当するかしら。
図にするとこんな感じ。

英語学習だと
に相当するかしら。
図にすると次のようになるわ。

さて、観察研究を英語学習に応用する際、とりわけ役立つと思うのがスクール選びのときね。
英会話力を鍛えたい。
英語コーチングを受けたい。
検討するためにスクールのホームページを見てみるが、どのスクールも効果を謳っていてどのスクールが良いのか迷ってしまう。
こんな感じの謳い文句、見るんじゃないかな。
英語力の向上を実感したお客様90%!

一見すごそうだと思いますけど・・・。
そうね、嘘は付いていないと思う。
でも都合が悪い情報も言い切っていないと思う。
世の中の賢い人たちは誤認識させるために「真実の一部分を話す」ということをするからね。
これはディベートの世界では「半分の真実」「The half truth」 と言ったりするわね。
でもこれは処世術でもあるから必ずしも非難すべきものじゃないけど。
図にするとこんな感じ。

「お客様満足度97%!」なんだけど、そもそもお客様は入りたくてそのスクールにいるから、そんな人たちを母集団としても結果は好意的なものになることが考えられるわね。
そしてお客様満足度の集計方法。
お客様へのアンケート調査、選択肢が4つあるとして次のものがあるとする。
1) 非常に満足した
2) とても満足した
3) 満足した
4) 満足していない
もし選択肢の1-3を「満足した」と見做して集計したら「お客様満足度97%!」も比較的容易に達成できるんじゃないかな。
あと「英語力の向上を実感したお客様90%!」もそうね。
実感もなにも、スクールでレッスンを受けるんだから大なり小なり英語力が向上するのは当然じゃないかしら。
そしてスクールにお金をかけたんだから「自分の英語力は向上しているはず」っていう確証バイアスもかかってしまうことも考えられる。

うん、でもそんなキャッチーな謳い文句にひっかかってスクールに入会したはいいけど「終わってみれば微妙だったなー」ってことは悲しいじゃない?
だから、エビデンスの考えで検討してほしいと思うの。

さっきちらっと話したけど「英会話スクール、英語コーチングスクールに入会した人がどれだけ英語力が伸びたかを測る」ことね。
TOEIC400の人が3ヶ月で600になりました。
そんなエピソードが多く掲載しているスクールならエビデンスの質として高いと思うわ。
エビデンス「ランダム化比較実験」に相当する英語学習は信頼性が高い

これに相当する英語学習は信頼性が高いわね。
「ランダム化比較実験」は因果関係を探る研究。
被験者を複数のグループに分けて仮説検証するというものね。
エビデンスの質は高いと思うわ。
コーヒーの例だと、
に相当するかしら。
図にするとこんな感じ。

英語学習なら
になるんじゃないかしら。
例えば「シャドーイングはリスニング力向上に効果があるのか?Aグループはシャドーイング、Bグループはリピーティングで仮説検証」とかね。
図にするとこんな感じ。

さて、次の話がエビデンスにおける最も質が高いものになるわ。
エビデンス「メタ解析」に相当する英語学習は最も信頼性が高い

これに相当する英語学習は最も信頼性が高いわね。
「メタ解析」は複数のランダム化比較実験をまとめて検証した研究。
エビデンスの質としては最も高いわね。
コーヒーの例だと、
に相当するかしら。
図にするとこんな感じ。

英語学習なら
になるんじゃないかしら。
例えば「英語力向上にはインプット、アウトプットどちらも重視する説があるが、インプット重視の研究が多い」とかね。
図にするとこんな感じ。

第二言語習得論って1960年代に生まれたばかりの若い学問。
まだ分かっていない部分は大いにあると思うわ。
日本で売り出されている関連本でも主張が食い違っていることがあるわね。
「あるわね」っていうのは私が複数の第二言語習得論の書籍を読んだ上での意見。

個人的におすすめしたいのはシントピカル読書。
説明は次図のとおり。

つまりは同一テーマの関連分を横断的に読む読書ね。
これで公約数が何なのかを自分でつかんでみるといいと思うわ。
医療・健康科学のエビデンスを閲覧できるサイト

自分で健康情報が気になったら調べてみるのもありだと思うわ。

それは、PubMedっていうサイト。
生命科学や生物医学に関する参考文献や要約を検索できる無料検索エンジンよ。


サイト見てみます♪
注意しておきたいのは、サイトの言語は英語。
論文は医療関連を含めた科学用語もたくさん使われている。
私個人の意見としては英検1級の長文問題よりも読むのは難しいんじゃないかしら。


でもまぁ、
名をはせる英語に堪能な筋トレ系Youtuberの方はこのサイトの論文を見て筋トレやサプリメントの最新の知見を獲得したりしているわね。
私も効率的なワークアウトの方法を知るためにこのサイトは見るわね。
もし医療・健康科学に興味がおありで英語力に自身がある方はこのサイトを見るのもありなんじゃないかな。
まとめ

エイコちゃんどうだったかしら、医療・健康科学も英語学習もエビデンスの質が高いものもあればそうでないものもある。
今回の知識を抑えておけば、エビデンスの質が高い情報にアクセスしやすくなるんじゃないかしら?

さて、2020年を過ぎた今は情報過多の時代。
あまりにも情報が溢れすぎて何が確かで何がそうでない情報か分からなくなっている人もいると思います。
そんな情報に惑わされないための方法は色々あると思いますが、そのための方法の一つとして今回はエビデンスの話を提供させていただきました。
もし、この話が「役に立った」と感じたらこっそり教えてくださいね。
それでは。

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