
今回も引き続き英語で論理的に話すための知識についてお話します。
前回の記事はこちらです!
他の回の記事はこちらです!

今回はどんな話ですか?
今回はねコミュニケーションをする上でのギャップを少なくするための知識。
ソシュールの言語学に基づいたお話をさせていただくわ。

まぁ、確かに学問の専門分野って突き詰めればどれも難しいんだけどね。
だけどできるだけ易しく伝えるわ。
だから安心してね。
それじゃあ、「英語で論理的に話すための知識その2【言語の恣意性】」と題して、お話させていただくわね。
今回の記事は次を参考にしています。

英語で論理的に話すための知識その2【言語の恣意性】・小テスト

ということで、エイコちゃんには1問テストするわね。

まあまあ。
前回も話したけど、一方向で相手から教えてもらうことって学習の定着率は低いの。
デールの円錐ね。

だから、テストを受けるっていう実践はぜひやってもらいたいと思うの。
では、始めるわね。
小テスト・本番

問題は1問。
次の会話でコミュニケーションギャップが生まれた原因を答えてね。



数時間後・・・


VTR(?)は以上です。
コミュニケーションギャップの原因は分かったかしら?
小テスト・答え合わせ

エイコちゃん、さきほどの会話。
コミュニケーションギャップの原因は何だと思う?



ごめんなさい、エイコちゃん。
想定外の答えが返ってきたから・・・。

まぁまぁ、エイコちゃん。
そこまでショックを受けることはないと思うわ。
社会人の方でもこの問題が分からない方はいると思うから。

それで、答えなんだけど。
「今日」という言葉に恣意性があり、二人で異なる解釈が生まれたため。
になるわね。

そうよ、「恣意性」
言語には恣意性というものがあるの。
このことについて、次に解説するわね。
英語で論理的に話すための知識その2・言語の恣意性


言語の恣意性とは何か

さきほどのコミュニケーションギャップ。
「今日」という言葉に恣意性があり、二人で異なる解釈が生まれたため。
この言葉は覚えているかな、エイコちゃん?


そうね、分かりやすくするために1つ問題を出しましょう。
次の図でウサギは何匹いるかしら?


ウサギもカピバラもハリネズミもかわいいー💓
うんうん。
日本人のエイコちゃんならそう答えると思うわ。

そう、日本人ならね。
だけど、イギリス人ならこう答えるんじゃないかしら。


そうね、こんな前提があるからと考えられるわ。
はい、図をどうぞ。




日本人はウサギといえば、ペットのウサギだろうと野生のウサギだろうと、どれもウサギと呼称する。
日本人にとって「ウサギ」が指すものは「ウサギ全般」。
イギリス人はペットのウサギをrabbit、野生のウサギをhareと呼称する。
イギリス人にとって「ウサギ」が指すものは「飼う用のウサギ」。
「ウサギ」という言葉ひとつとっても、それが何を指すのかは言葉を発する人によって変わる。
これを抽象化すると・・・
「言葉の呼称」と「その言葉が指すもの」は人によって恣意的に変わる、これを言語の恣意性って呼ぶの。
恣意性とは「言葉の呼称」と「その言葉が指すもの」に必然的な結びつきが無いっていう意味。
スイスの言語学者、フレデナント・ソシュールの言葉ね。



でも、どうしたの・・・?

そこに暮らす人たちの文化、生活、何が大事か、何を意識しているか等によって変わってくるからじゃないかしら。
例えば、エイコちゃんにとって日常生活でウサギを意識することってどれくらいあるかな?


うんうん、そうだよね。
おそらく多くの日本人にとってウサギはそこまで意識しないもの。
だから、ウサギをペット用かそうでないかを示す言葉が出てこない。
だけど、イギリス人にとってウサギは日常生活に入り込んでくるほどの存在。
ビアトリクス・ポターの「ピーター・ラビット」は世界的に有名でしょ。

そして、イギリス人が散歩をすればウサギやウサギ穴を見かけるほどウサギは多い。
イギリスはウサギ肉の文化もあるしペットとして飼うこともある。
だから、ウサギがペット用かそうでないかを区別する必要がある。
推論にはなっちゃうけど、イギリス人にとってそのような背景があるからrabbit、hareが分かれたんじゃないかしら。

それじゃあ、次の問題。
クイズっぽくなっちゃうけどね。
次の図で蝶は何匹いるでしょうか?


うん、そうだよね。
でもフランス人ならこう答えるんじゃないかしら。



じゃあ、あと1問だけ。
虹は何色でしょうか?


日本人ならそう答えるよね。
だけど、他の国だと・・・


このように「虹」が何を指すかも国によってバラバラ。
これで分かったんじゃないかしら。
一つ言葉があるとして、それが何を指すかは人によって異なる。
言語には恣意性があるってことを。
言語の恣意性の知識を踏まえて気をつけること




ごめんなさい、エイコちゃん。
想定外の答えが返ってきたから・・・。

まぁまぁ、エイコちゃん。
エイコちゃんなら先程の話、言語の恣意性については理解できたんじゃないかしら。

それを踏まえると、最初の男女の会話であったコミュニケーションギャップ。
それの原因が見えてくるんじゃない?

「今日」という言葉が男の人と女の人で解釈が分かれたんじゃないかと思います。

女の人にとって「今日」は夜中近くの遅い時間
これが原因じゃないでしょうか?

素晴らしいわ!
じゃあ、もう一つ質問。
このようなコミュニケーションギャップを防ぐために、さきほどの男女は何ができたかな?

「今日」という言葉が何を指すのか「言う側」「聞く側」両方が綿密にすり合わせをすれば良かったのかと思います。


素晴らしいわ!
「言語の恣意性の知識を踏まえて気をつけること」についてエイコちゃんはもう理解しているんじゃないかしら。
私から言うまでもなかったわね。

言語の恣意性がもたらすであろうコミュニケーションギャップ。
このギャップは、違う国の人同士でも生じるし、同じ国の人同士でも生じる。
それを踏まえて綿密にすり合わせてギャップをなくしていきたいわね。
まとめ


よかったわ。
英語を勉強するだけでは気づきにくい今回の知識。
英語話者とコミュニケーションするだけでなく、あらゆる人とのそれで必要になってくると思います。
そのときに今回の知識が役に立てば幸いです。
「論理的に英語を話すための知識」
まだまだ伝えるべきことがあるので、別の機会に話をさせていただけたらと思います。
それでは。

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