レベルはどれくらい?「英文解体新書」レビュー!

英文解体新書 書評
リン先生
こんにちは!英語上級者になりたい方のサポート役、リンです♪
リン先生
この記事は英語書籍の紹介になります。
今回登場するのは…
エイコ
今回は何ですか?

今回は、「英文解体新書」(北村一真)です。

書籍
英文解体新書
英文解体新書/北村一真
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エイコ
初めて聞きます・・・

そうかもしれないわね。


なぜならこの本は「英語が得意な学部生〜大学院生」レベルをターゲットにしている本だからね。


想定読者の範囲はそれほど広くないと思うわ。

エイコ
でどんな本なんですか?

レベルが高めの「英文解釈」の本になるわね。


「英文解釈」の意味は次のとおり。

英文解釈の意味
英語で書かれた文章を理解し、その意味を解釈することを指す。英語を学ぶ際に非常に重要なスキルであり、英語圏でのコミュニケーションやビジネスにおいても欠かせないスキルである。英文解釈には、文法や語彙、文脈、推論、文化的背景などが影響を与えるため、正確な解釈をするためには、幅広い知識と理解が必要である。

※権威あるソースによる定義が見つからないため、ChatGPTに回答させました。

エイコ
「英文解釈」初めて知りました・・・!

うん。


「英文解釈」について実際どんな感じなのか、後で解説するわね。


さて、この本に関しても科学的視点と定質的視点でレビューしていきます。


結論だけ知りたい人は、ここからジャンプできるから見てください。

リン先生の実績
rin
  • 英検1級所持
  • TOEIC970
  • 全国通訳案内士試験合格
  • Twitterで英語ツイート継続中、フォロワー1,400人突破
  • 英会話歴3年
  • 科学論文を読むのが好き
  • 読書家であり、これまで読んできた本は1,500冊以上

  • 書籍まとめ記事はこちら

    book-review

    英語学習の良書は何?英検1級保持者&読書家による格付け


    それでは「レベルはどれくらい?『英文解体新書』レビュー!」と題してレビューをします。

    英文解体新書」の概要

    リン先生
    「英文解体新書」の概要について述べます。

    まずは著者の紹介から。


    著者は北村一真氏。


    「ロゴフィリア」「ジャパンタイムズ社説集」の著者として紹介させていただいたわね。

    北村一真氏の紹介
    ・杏林大学外国部学部准教授
    ・慶應義塾大学大学院後期博士課程
    ・著書に「ロゴフィリア」「英文解体新書2」「英語の読み方」等
    書籍
    上級英単語 LOGOPHILIA ロゴフィリア
    上級英単語 LOGOPHILIA ロゴフィリア/北村一真、八島純
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    書籍
    ジャパンタイムズ社説集
    ジャパンタイムズ社説集/北爪隆、北村一真
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    「ロゴフィリア」の記事はこちら!

    book-review-logophilia-2

    レベルはどれくらい?「ロゴフィリア」レビュー!


    「ジャパンタイムズ社説集」の記事はこちら!

    book-review-japan-times-editorial

    「ジャパンタイムズ社説集」レビュー、難易度と勉強法は?


    英語学習界隈ではとても有名な方です。

    エイコ
    そうなんですね〜。

    うん。


    「ロゴフィリア」も重版された人気本の著者だからね。

    さて、本の内容についてサブセクションで触れていくわね。

    エイコ
    お願いします!


    レベルはどれくらい?

    リン先生
    この本のレベルはどれくらいなのかについて述べます。

    結論から言うと「英語が得意な学部生〜大学院生向け」になります。

    kaitaishinsho-range
    エイコ
    どんな英文が登場するんですか?

    うん、それについては次のセクションで紹介するわね。


    どんな英文が登場するの?

    リン先生
    どんな英文が登場するかについて述べます。

    本書は8つの章から成っています。

    章題解説
    第1章基本的な文の構造大学受験レベルの基本を改めて確認するという意味で、複雑な文構造の中で「何がどうする」にあたるSVをつかむことをテーマにしている
    第2章情報の流れと特殊な語順学習英文法で特殊構文と呼ばれる文法構造を扱っており、言語学、英語学の知見も取り入れて、そういった文法構造がなぜ、どういう場面で使用されるのかにまで踏み込んで解説
    第3章情報の流れと特殊な構文
    第4章省略学習者が典型的にミスをおかしてしまいやすい構造の解釈において、どのような視点で読めばそれを適切に処理することができるかを扱っている
    第5章構文の擬態
    第6章上級の読解英文法受験レベル+αに位置づけられるやや上級の構造や表現の解釈法をそれぞれ扱っている
    第7章破格的な構造
    第8章文章の構造文章の構造に目を向け、より大きい単位をターゲットとした英文解釈法を説いている

    英語が得意な学部生〜大学院生を対象とした本ですが、大学受験英語の延長上にある難易度なので、大学受験を乗り越えた学部生以上の方なら読むことはできると思います。


    そして本書では例題に挑戦することができますが、難易度が2(★★☆☆☆)〜5(★★★★★)まであります。


    難易度の説明は次のとおりです。

    難易度解説
    難易度3(★★★☆☆)ここまでは大学受験でも問われる可能性のあるレベル
    難易度4(★★★★☆)大学院入試のレベル
    難易度5(★★★★★)自信のある方が腕試しに挑戦してみてはどうだろうか、というレベル

    私自身も難易度3に挑戦しましたがとても難しかった印象です。


    北村氏も次のようなコメントを残しています。

    さて、いくつか例を見ていきましょうか。

    エイコ
    楽しみです・・・!

    こんな感じです、まずは難易度2(★★☆☆☆)。

    例題 難易度2(★★☆☆☆)
    For over fifty years, the concept of dog as a wolf dressed up in a cute package dominated dog training and management, with results that were ― to say the least ― mixed. Some bits of advice that logically flowed from this misconception are harmless, but others, if applied rigorously, can damage the bond between dog and owner.

    (John Bradshaw (2011); Dog Sense
    文脈:犬と狼は似ていますが、当然違いもあります。両者の差を無視すると有害な結果を生むこともあるということを指摘している文章です。

    「英文解体新書」p6から抜粋

    エイコ
    たくさん挿入があって難しいです・・・。
    mixed?ってどういう意味ですか・・・?

    これで、本書でいちばん易しい難易度です。

    エイコ
    ええーっ!

    なお、答えが気になる方は本書をご購入ください。


    つづいて難易度3(★★★☆☆)です。


    これは文法的な倒置の例題です。

    例題 難易度3(★★★☆☆)
    It seems to me to require quite a low self-regard to think that, should belief in god suddenly vanish from the world, we would all become callous and selfish hedonists, with no kindness, no charity, no generosity, nothing that would deserve the name of goodness.

    (Richard Dawkins (2006); The God Delusion
    文脈:有神論を批判したリチャード・ドーキンズの著作から。信仰がなくなれば世の中は悪くなる、という考え方を批判的に語っている箇所です。

    「英文解体新書」p78から抜粋

    エイコ
    さっぱりです・・・

    英語が得意な大学生や大学院生をターゲットにした本だからね。


    そこまで落ち込む必要はないわよ。


    さて、難易度4(★★★★☆)です。


    「構文の擬態」というセクションで登場する英文です。

    例題 難易度4(★★★★☆)
    The age of enlightenment began in Germany in the middle of the eighteenth century. In most of the German States, thought was considerably less free than in England. Under Frederick the Great’s father, the philosopher Wolff was banished from Prussia for according to the moral teachings of the Chinese sage Confucius a praise which, it was thought, ought to be reserved for Christianity.

    (John B. Bury (1913); Freedom of Thought
    文脈:言論・思想の自由の歴史を扱った歴史家ジョン・バグネル・ベリー(1861-1927)の代表作から。かつては大学入試問題に好んで採用された作品でもあります。

    「英文解体新書」p151から抜粋

    リン先生
    ちなみに、難易度4と5は解くのに時間がかかると思い、私もスキップしました・・・。
    エイコ
    リン先生も・・・!

    さて最後に難易度5(★★★★★)です。


    ここまでくると、ミル(「自由論」の著者)、ポー(「モルグ街の殺人」の著者)、ウェールズ(「タイム・マシン」)のような19世紀の古典文学にも原文で挑むことができるかもしれません。


    例題を見てみましょう。

    例題 難易度5(★★★★★)
    The world would be astonished if it knew how great a proportion of its brightest ornaments ― of those most distinguished even in popular estimation for wisdom and virtue ― are complete sceptics in religion; many of them refraining from avowal, less from personal considerations, than from a conscientious, though now in my opinion a most mistaken apprehension lest by speaking out what would tend to weaken existing beliefs, and by consequence (as they suppose) existing restraints, they should do harm instead of good.

    (John Stuart Mill (1873); Autobiography
    文脈:彼の有名な「自伝」からの出題です。世界に名だたる面々が実は宗教に懐疑的であるということを主張している箇所です。

    「英文解体新書」p129から抜粋

    ・・・という感じです。


    ちょっと雰囲気を感じ取れたかと思います。

    エイコ
    雰囲気を感じすぎて自分の至らなさを痛感しました・・・


    英文解体新書」レビュー

    リン先生
    「英文解体新書」レビューです。


    エビデンスレビュー

    リン先生
    エビデンスレビューです。

    本の内容はほとんどが文法の解説なので、エビデンスレビューの対象外です。


    それでは、定質レビューにいきます。

    定質レビュー

    リン先生
    定質レビューです。


    良い点

    大学受験より上のレベルを対象とした英文解釈書であることが良い点です。


    数少ないハイレベルな英文解釈書になります。


    英文解釈や英文読解の参考書は世の中にたくさんありますが、その多くは大学受験対策レベルまでのものです。


    英語の新聞雑誌やニュースにによる日常の情報収集を活かすためには大学受験レベルではまだ差があると北村氏は述べています。


    その問題を解決するために作られたのが本書です。


    気になった点

    本書の内容に関しては特にありません。


    ただ、Kindle版が無いことが残念ですね。


    なお、今後Kindle版が出ることはないようです。


    英文解体新書」の評判

    リン先生
    「英文解体新書」の評判について述べます。


    良い評判

    リン先生
    良い評判はこんな感じです。

    伊藤和夫の「英文解釈教室」の上級練習問題の位置づけ
    私は、東京大学を卒業後、もう1ランク上の英語力を付けたいと思い、伊藤和夫の「英文解釈教室」を3回繰り返して読みました。その結果、自分でも英文読解力が付いたという手ごたえがありました。しかし、その後、TIMEやNewsweekを毎週全ページ(芸能関係を除く)読んでみると、大意は掴めるのですが、わからないところがかなりありました。10年間頑張って読み続け、多少の力は付いたように思います。越前敏弥の翻訳に関する本を3冊読んだところ、文法的な問題はかなりクリアーできるようになりました。そこで、この「英文解体新書」に取り組んでいますが、レベル的には私にちょうど良いように思います。2回、3回と繰り返すことによって、解釈力、翻訳力を付けたいと思います。

    引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3S1F0834IDCKN/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4327452920

    大学受験以降の英文解釈を深めたい人向け
    大学受験レベルで一通りの英文読解ができる学生や社会人にはうってつけの参考書だとおもいます。 大学で専門書や英語のニュースを読むのに苦労していた時、偶然北村先生のTwitterを見つけて購入しました。TOEIC対策で簡潔な文章を早く読むのは練習していましたが、日常的に読む専門書やニュースサイトの英文章をきちんと理解するのは早くならず、また理解度にも自信がなかった私にとってぴったりの参考書でした。  英文解体新書は内容が難しいのは事実で、大学受験後の学生さんや英文法が一通り分かる方向けだと思います。私は大学3年の時にこの本に出会い、大学受験時のレベルから落ちていたので、最初は英文法フォレストで文法用語とその用法を調べながらやる感じでした。「英文読解70」を少しつまんだ後にやった方がスムーズに学べたかもしれません。その所感も含めて高校修了、大学受験レベルの人がこの本にドンピシャでハマると思いました。文法事項を段々思い出したり慣れていく、時間はかかりながらもじっくり考え解説を読み、再度自分で訳していくことで着実に英文読解の論理を体感として身に着けていけたと思います。何より英文に圧倒されず、一つ一つ英文を読み解く持久力がついてきたというのが一番大きな収穫でした。

    引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R2ENBVGU7ROWQU/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4327452920

    『英文解釈教室』(伊藤和夫著)+α
    面白かった。J.S.ミルの自伝では悪戦苦闘したが、英文解釈の良い刺激になった。「『英文解釈教室』(伊藤和夫著)+α」のαの部分の説明がとても有意義であった。具体的に言うと、
    ・Just because 節があたかも文の主語のように振る舞う構文
    ・分裂文のthatは関係代名詞に近いもので、whoseや前置詞+whichなども使われること
    ・分裂文でthatではなく分詞句が置かれるパターン
    ・if notやthoughなどが等位接続詞の働きもすること
    ・so …that構文のthat節が主節になってso…部分が後から説明されること
    ・破格
    など。
    また、例題が最新のベストセラーから採られているのも良い。
    是非『英文解体新書2』にも挑戦してみたい。

    引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3OODZBDC9CSFA/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4327452920


    悪い評判

    リン先生
    悪い評判はこんな感じです。

    内容は神だが
    内容は神です。ただ電子版がない事だけが残念です。

    引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1IGHIZLAXWSFU/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4327452920

    難しい本
    使用する上で注意すべき点は、構文の解説があまりないので、構文を正確に取れる人間でないとほぼ確実に挫折することになるということ。
    それから日本語訳に関しては”筆者の味”のようなものが出ているので、私のような凡人には理解できなかった。

    引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R38PPNZ3IHANDW/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4327452920


    英文解体新書」の評価

    リン先生
    「英文解体新書」の評価について述べます。
    結論

    ◆おすすめ度
     ★★★★★★|★★|☆☆
     (10点満点中の8点…英語学習者万人に薦めるほどではないが多くの箇所で参考になる箇所がある。)
     
    ◆おすすめできるか
     大学受験レベルの英文法、英文解釈の基礎を一通りマスターしており、さらに力をつけたい方には最高の英文解釈書になると思います。

    ◆読後の効果
     私が英語のニュースを読んだとき、大学受験の英文法・英文解釈力があるのになぜ解釈できないのだろうという
     謎が解けました。

    ◆本書の評判
     2023年3月現在、Amazonの評価は4.3。
     良い評判は「大学受験以降の英文解釈を学べる」。
     悪い評判は「難しい」です。
     評判どおりかと思います。

    ◆本書の価格
     紙の書籍で2,420円です。
     残念ながらKindle版はありませんし、今後Kindle版が出版される予定はないようです。
     英語力のレベルがマッチした人には良い買い物になるでしょう。

    ◆向いている方
     ・大学受験レベルの英文法、英文解釈の基礎を一通りマスターしており、さらに力をつけたい方

    ◆向いていない方
     ・英文法が苦手な方

    まとめ

    リン先生
    以上「レベルはどれくらい?『英文解体新書』レビュー!」のお話でした!。

    今回のレビューで10点満点の8点をつけてますが、足りない2点は対象読者の狭さです。


    ですので、英語のレベルが高い方で英文解釈力をつけたい方には満点の本になるかと思います。


    大学受験レベルを超えた英文解釈力をつけたい方はぜひ手にとってくださいね。

    書籍
    英文解体新書
    英文解体新書/北村一真
    Amazon 紙書籍 楽天 紙書籍
    エイコ
    私、買いま〜す♪

    よい買い物ね。


    さて本ブログでは、このように英語関連書籍を紹介してきます。


    もし気になる本があればこのブログ経由で買っていただけるとありがたいです。


    それでは。

    リン先生
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