今井むつみ著「英語独習法」レビュー、要約するとどんな勉強法?

book-review-eigo_dokushuho 書評
リン先生
こんにちは!英語上級者になりたい方のサポート役、リンです♪
リン先生
今回は書籍の紹介です。
皆さんにおすすめできるかについて触れます。
エイコ
毎回楽しみにしています♪
今回は何ですか?

今回紹介するのは、「英語独習法」(今井むつみ著)になります。


認知科学の第一人者の方が書かれている本です。

エイコ
英語畑以外の方なんですねー♪

この本に関しても科学的視点と定質的視点でレビューしていきますね。


結論だけ知りたい人は、ここからジャンプできるから見てくださいね。

リン先生の実績
rin
  • 英検1級所持
  • TOEIC970
  • Twitterで英語ツイート継続中、フォロワー1,400人突破
  • 英会話歴3年
  • 科学論文を読むのが好き
  • 読書家であり、これまで読んできた本は1,500冊以上

  • 書籍まとめ記事はこちら

    book-review

    英語学習の良書は何?英検1級保持者&読書家による格付け


    それでは「今井むつみ著『英語独習法』レビュー、要約するとどんな勉強法?」と題してレビューをします。

    「英語独習法」の概要

    リン先生
    「英語独習法」の概要について述べます。

    概要についてですが「英語独習法」の「はじめに」にこのようなことが書かれています。

    本書の第一の目的は、認知科学で知られている「学習の法則」を外国語学習に当てはめ、さらに英語の特徴を勘定しながら、英語学習の合理的な学習法を提案することである。「合理的な学習法を提案する」だけでなく、「その理由としくみを解説する」ということが本書の特徴で、これまでの英語学習の数多(あまた)の書物と違うところだと自負している。

    「英語独習法」(今井むつみ著) はじめに から抜粋

    ということで本書は英語学習の世界を飛び越えて、認知科学の視点で英語学習法を提案する本になります。


    英語学習において、教師は学習者に英語学習法を教えることがあるでしょう。


    しかし、教師は「英語」や「語学」以外の視点を踏まえて学習者に教えることができる人はどれほどいるでしょう?

    エイコ
    確かに、学校や塾ではそんな先生はあまり見なかった印象です・・・。

    本書で著者は認知心理学における「スキーマ」をベースとして英語学習法を展開します。


    これが本書において大事なキーワードとなります。

    スキーマとは

    リン先生
    スキーマとは何なのかを説明します。
    エイコ
    スキーマとは何ですか?

    「心理学事典」から引用すると次になります。

    「スキーマ」の定義
    スキーマとは,過去の経験や外部の環境に関する構造化された知識の集合である。長期記憶に貯蔵されている,出来事,行為,事物などについての一般的知識のことをいう。スキーマの概念はバートレットBartlett,F.C.(1932)によって心理学に導入され,その後多くの研究者によって展開されてきた。

    「心理学事典」から一部引用

    「過去の経験や外部の環境に関する構造化された知識の集合」ということになります。

    エイコ
    抽象的過ぎて分かりません・・・

    まあ、そうなるよね。


    そこでスキーマを理解しやすくなるための具体例を提示します。


    エイコちゃん、次の文章を読んで何の話か考えてもらえるかしら?

    エイコ
    はい!

    読者の方も次の文章が「何の話」か、3分間ほど考えてみてください。

    その手順はとても簡単である。はじめに,ものをいくつかの山に分ける。もちろんその全体量によっては,一山でもよい。次のステップに必要な設備がないためどこか他の場所へ移動する場合を除いては,準備完了である。一度にたくさんしすぎないことが肝心である。多すぎるより,少なすぎる方がましだ。すぐにはこのことの大切さがわからないかもしれないが,めんどうなことになりかねない。そうしなければ,高くつくことにもなる。最初はこうした手順は複雑に思えるだろう。でも,それはすぐに生活の一部になってしまう。近い将来,この作業の必要性がなくなると予言できる人はいないだろう。その手順が終わったら,再び材料をいくつかの山に分ける。そして,それぞれ適切な場所に置く。それらはもう一度使用され,またこのすべてのサイクルが繰り返される。ともあれ,それは生活の一部である。

    Bransford & Johnson,1972
    エイコ
    ・・・
    エイコ
    ・・・
    エイコ
    何の話かさっぱり分かりません!

    まあ、そうなっちゃうわよね。


    でもこの「分からない」という状態、それは「スキーマにアクセスできない状態」をエイコちゃんに疑似体験してもらったの。


    でもね種明かしをするとすーっと頭に入ってくるわよ。


    この話、実はね「洗濯の話」なの。

    laundry

    これを踏まえて再度、文章を読んでみて。

    その手順はとても簡単である。はじめに,ものをいくつかの山に分ける。もちろんその全体量によっては,一山でもよい。次のステップに必要な設備がないためどこか他の場所へ移動する場合を除いては,準備完了である。一度にたくさんしすぎないことが肝心である。多すぎるより,少なすぎる方がましだ。すぐにはこのことの大切さがわからないかもしれないが,めんどうなことになりかねない。そうしなければ,高くつくことにもなる。最初はこうした手順は複雑に思えるだろう。でも,それはすぐに生活の一部になってしまう。近い将来,この作業の必要性がなくなると予言できる人はいないだろう。その手順が終わったら,再び材料をいくつかの山に分ける。そして,それぞれ適切な場所に置く。それらはもう一度使用され,またこのすべてのサイクルが繰り返される。ともあれ,それは生活の一部である。

    Bransford & Johnson,1972
    エイコ
    ・・・
    エイコ
    すーっと頭に入ってきました!

    スキーマってその対象物に対するまとまった概念みたいなもの。


    エイコちゃんは洗濯が何であるか知っている。


    だから「洗濯」という言葉を聞いたときに、記憶を探って洗濯に関する細々とした特徴を集めてこなくとも、すべての情報に瞬時にアクセスできるの。


    だからすーっと頭に入ってきた。


    さて、「スキーマ」の定義、「過去の経験や外部の環境に関する構造化された知識の集合」についてざっくり理解していただけたかしら?

    「スキーマ」の定義
    スキーマとは,過去の経験や外部の環境に関する構造化された知識の集合である。長期記憶に貯蔵されている,出来事,行為,事物などについての一般的知識のことをいう。スキーマの概念はバートレットBartlett,F.C.(1932)によって心理学に導入され,その後多くの研究者によって展開されてきた。

    「心理学事典」から一部引用

    エイコ
    はいっ!


    スキーマと氷山の例え

    リン先生
    あと、スキーマについて大事な話があります。
    スキーマと氷山の例えです。
    エイコ
    氷山・・・?

    うん、氷山。


    本書でも説明があるけど、スキーマは氷山に例えられているの。

    iceberg

    本書で次の説明があるわ。

    つまりことばについてのスキーマは、氷山の水面下にある、非常に複雑で豊かな知識のシステムである。スキーマは、ほとんど言語化できず、無意識にアクセスされる。

    「英語独習法」(今井むつみ著) はじめに から抜粋

    つまりは対象物があって、それは「言語化できる部分」と「(言語化できない部分)スキーマ」で構成されているということ。


    そして、スキーマの割合が大きい。


    例えば自転車を例にすると、ハンドル、ブレーキ、ペダルの役割を言葉にしたものは「言語化できる部分」。


    自転車の乗り方は言語化できないから「スキーマ」になる。

    bicycle

    実際、自転車を役立てる場合スキーマの割合が大きいって感じないかな?

    エイコ
    確かに!
    ところで・・・
    エイコ
    スキーマって英語学習にどう活かすんですか?

    よい質問ね。


    それを今から話そうって思っていたの。


    次にスキーマの活かし方の話をするわ。

    スキーマの活かし方

    リン先生
    スキーマの活かし方についてお話します。

    スキーマの活かし方の一つですが、「スキーマという考えを意識して英語学習を行い、英語ネイティブの人たちにとって自然な英語表現力をつける」になるかと思います。


    一例として、修飾語で考えてみます。


    さて、エイコちゃん、次の問題を解いてみてください。

    練習問題
    以下の日本語を英語にするとき、形容詞+英語の自然な組み合わせはどれだろうか。多くの場合、いずれもOKであるが、(中略)
    (1) 「強い証拠」はstrong evidenceかbig evidenceか。
    (2)「広く受け入れられている」はwidely acceptedかhighly acceptedか。
    (3)「固い意思」はhard willかstrong willか。
    (4)「とても興味深い」はhighly interestingかstrongly interestingかwidely interestingか。

    「英語独習法」(今井むつみ著) 探求実践篇 から抜粋
    エイコ
    難しいです・・・。

    この問題は英語ネイティブの小学生なら、おそらく解けると思います。


    しかも、そこまでじっくり考えることなく。

    エイコ
    もしかして、スキーマっていうのを使っているからですか?

    そうよ。


    日本語に置き換えると…

    • 「帽子を着る」「帽子をかぶる」どちらが自然な言い方か?
    • 「靴下を着る」「靴下をはく」どちらが自然な言い方か?

    文法ルールがどうこうって深く考えることなく分かるでしょ?

    エイコ
    はいっ。
    「帽子をかぶる」「靴下をはく」が自然な言い方だって分かります。

    さっきの4つの問題も、「帽子をかぶる」「靴下をはく」の話もネイティブの人たちにとっては文法ルールをそこまで意識することなく、スキーマを使って最適解を選ぶことができる。


    もし、そのスキーマが自分にあったら自然な英語表現力が身につくから嬉しいでしょう?

    エイコ
    確かに!
    エイコ
    でも、どうやってスキーマを身につけるんですか?

    それについては次のセクションでお話するわね。

    「英語独習法」を要約すると、どんな勉強法?

    リン先生
    「英語独習法」を要約すると、どんな勉強法なのかについてお話します。

    ずばり英語ネイティブの人たちが持っているスキーマをノンネイティブの学習者が得るための学習になると思います。


    「スキーマ」とは先程話させていただきましたが、「過去の経験や外部の環境に関する構造化された知識の集合」です。


    そして具体的に何をするかというと、SKELL、COCAというオンラインのコーパスサイトを使って英語ネイティブが持つ単語選定の感覚を身に着けます。


    SKELL、COCAを使った単語選定の感覚の身につけ方は別記事がありますので参照していただけたらと思います。


    この記事です!

    saussure

    中々難しい英単語のニュアンスのつかみ方を解説します!


    ただ、この学習法は自然な言い回しを気にし始める中上級者(CEFR-B2以上)向けの方法になると思います(ブログ管理人個人の所感にはなりますが…)。


    中上級者に満たない方は英文法や語彙など基本的な英語力を身につけることが先決でしょう。


    CEFRについてはこの記事で説明があります。

    cefr

    CEFRとは何?改訂でどう変わる?概要を丁寧に解説しちゃいます!


    エイコ
    なるほど・・・


    「英語独習法」レビュー

    リン先生
    「英語独習法」レビューをします。


    エビデンスレビュー

    リン先生
    エビデンスレビューです。

    本書は228ページあり、参考文献数は33ありました。


    主張はエビデンスを元に論理展開しているので一定の信頼性があると思います。

    定質レビュー

    リン先生
    定質レビューです。

    英語学習の世界を飛び越えて、認知科学の視点で英語学習法を提案するという試みは素晴らしいと思います。


    ただし気になったのが本書のタイトルです。


    「英語独習法」というタイトルは抽象度が高いので

    • 英語学習を独りでするためのモチベーションを保つための本
    • 4技能を独りで身につける方法を提示する本

    など買い手は内容を色々と想像できると思います。


    しかし、内容の多くはSKELLやCOCAを使って英語ネイティブの感覚を掴むものとなっています。


    「英語独習法」というよりも「英語ネイティブの感覚のつかみ方」の方がタイトルとして相応しいかもしれません。


    ※…とはいえ本のタイトルをどう決めるかは複雑な問題なので、上記の代替案はあくまで「本の内容を的確に示す」という視点のみであることは了承ください。

    英語独習法」の評判

    リン先生
    「英語独習法」の評判について述べます。


    良い評判

    リン先生
    良い評判はこんな感じです。

    英語の学習法が変わる
    著者は英語教育者ではなくて、認知科学、発達心理学を専門とする学者のようで、言語習得のウラにあるスキーマが本書の鍵となる概念です。スキーマを他人に説明することは難しいですが、言わんとすることはよく分かります。

    英語が非常に上手な日本人が書いた英語を読むのが比較的容易(読みやすい)なのは、単語や構文の選び方などどこかに日本語スキーマに引きずられている部分があるからかもしれません。一方で、各単語レベルでは分かるのに文章全体の意味が取れないのもスキーマのせいかもしれません。今後の学習に役立ちそうです。
    とは言え、著者の勧めるコーパスなどを使った語彙の学習法はいくら時間があっても足りなそうに思えます。まさに趣味のレベルです。それでも辞書を引く際には、語義だけでなく例文には必ず目を通そうと思いました。

    ところで多読についてですが、著者は多読自体を否定している訳ではなく、語彙の習得に多読は時間効率が悪いこと、そして物語を読んでストーリーを理解するだけで満足してしまうと、語彙の増強には結びつかないことを懸念されているものと思われます。実際、著者は学者として英語文献を多読しているはずで、その経験からもお勧めしないのではないでしょうか。私個人の経験でも多読を意識すれば、使われた単語のニュアンスを感じるまでの余裕が出てこないです(それだけのレベルなんだと言われれば返す言葉もありませんが)。
    また、著者の勧める熟見によって、「予測が裏切られたとき、もっとも深い情報処理が起こり、記憶に深く刻印される」と書かれているように、日本語と英語のギャップ(スキーマのちがい)の発見が英語運用力の向上につながることと思います。

    ちなみに、私は3刷を購入しましたが、まだ誤植があるようです。なんかおかしいな、これこそ日本語スキーマに支配されている結果かなと思いながら読んでいました。正誤表の存在を知らせてくれてありがとうございます。

    引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3JQ93GCBYT7UB/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4004318602

    仕事で使えるレベルを目指す人にはヒントがたくさん
    普段仕事で英語を使用し、ずっと勉強も続けていますが、海外の同僚とのレベル差は歴然としており、伸び悩みを感じていたため、購入。勉強法を見直すヒントが多く、参考になりました。

    「スキーマ」という概念は、確かに日本語を使うときには、意識せずに自分の中にあるストックから取り出している感があり、なるほどと思いました。

    著者の指摘通り、母国語でないのに英語力の高い人(フィンランド人など)は、難しい単語は使わず、簡単な(日本でも高校生までに触れるような)単語で分かりやすく流暢に話します。知っている単語量でなく、自在に運用できる単語量が多いことが、語彙力があるということだと実感しました。

    第一章に、本書は仕事の場でアウトプットできるレベルの英語力を目指す方向け、との記載がありますが、もう少し対象者のレベルは高いと思います。
    すでに仕事でアウトプットしているものの海外経験もなく、不自然な「日本人英語」であり、そこから脱却したい方には良い本です。

    まだ英語を使う仕事に就いていなく、それを希望している方は、定評があり自分のレベルにあった、市販の文法書とビジネス英語本を一冊ずつ、音読含めてしっかりやり込むほうが近道です。

    引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R2NOVOU5POGCZ1/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4004318602

    英語力は使う人個人の使える語彙力によって決まる。最適な英語表現を選べる能力で、伝わる精度が決まると感じた。
    字幕に日本語訳が付く映画で、その場面で実際に話されている英語を予測する学習法は確かに実力アップに使える方法であると思う。外国語の学習は年齢に左右されないものであるとの考えに勇気を与えられた。様態を表す動詞や、 抽象名詞と結びつきやすい形容詞との関係性や、不定冠詞と定冠詞、不可算名詞と可算名詞の使い分けなど、日本語には置き換えにくい特有の言語体系に支配されている、そうしたスキーマを頭に入れていないと、日本語からの発想で作った文になり、文法は合っていても通じにくい英語ができてしまう仕組みがよく理解できた。一般書にしては、 読解にやや専門的な能力を必要とする本であると感じた。

    引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R2A3IBEO4CZJVX/ref=cm_cr_getr_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4004318602


    悪い評判

    リン先生
    悪い評判はこんな感じです。

    タイトルと「はじめに」は盛り過ぎでは?「SkELLの使い方」が適切では?
    他のレビューにもあるが、
    ●認知科学上の学習上の法則を英語学習に当てはめた「合理的な学習法」
    と冒頭に書いているので期待して読み進めたが、また、
    ●英語についての知識やウンチクを溜め込んでも英語がなかなか使いこなせないのはなぜなのか? と途中で問うているので、その解をどこかに記載しているのかと読み進めたが、
    ●残念ながら多くの頁が、自分で英語をアウトプットする際により正しいとされる表現を使うためのSkELLの使い方に割かれていた。もちろん、
    〇多読・多聴で語彙が増えるというのは神話
    〇記憶に残すには辞書でよく確認、熟読して熟見が必要
    〇言いたいことが分かる日本語と、母語話者にとって自然な日本語とは同じではない(ウズベキスタンの旅行通訳の日本語から;つまり、不自然な表現は年数をかければ自然になるのではなく、ずっとそのままである)
    〇映画を見るなら日本語字幕付きで最初に見てからが認知的には正しい順番
    〇子供の頃に中途半端な英語教育をするより、大人になってからプロのレベルにまで極めていける術を身に付けた方が絶対に有利
    〇自分で法則めいたものを導出し、確かめていった方が頭に残る
    など、他では余り指摘されていないところは参考にはなった。

    でも、結局、スキーマと著者が呼ぶ、語彙と語彙の結びつきのようなものは、結局多読でしか身に付かないのではないか?いちいちSkELLで調べながら話したり書いたりできるわけではなく、圧倒的なinput/intakeをして脳みそのどこかに感覚的に残っているものしか使えないのではないか?という問いに答えてくれる内容は無かったように思う。

    引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R32WTYYV9RLDV/ref=cm_cr_arp_d_viewpnt?ie=UTF8&ASIN=4004318602#R32WTYYV9RLDV

    「脚本の科学」との併読をオススメ
    最近話題になった本に『脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ』(フィルムアート社)というのがある。映画の脚本のメカニズムを認知科学の観点から読み解くというコンセプトの本だ。そこに出てきたスキーマという概念が面白いと思っていたところだったので、同じスキーマ概念を軸にして認知科学を駆使した語学学習法を謳う本書が気になり手にとった。『脚本の科学』では、脚本の読者や映画の観客が、インプットした情報を、あらかじめ頭のなかにストックされていた既知の情報と照らし合わせ、欠けている情報を補いながら、ダイナミックにストーリーを組み立てていく構築主義的なプロセスの説明にスキーマの概念が援用されていたが、本書ではスキーマについての理論的説明はわりとアバウトで、語学はスキーマ=「パターン」(p.199)をおぼえこむのが早道です、みたいなありふれた話にもっていく。スキーマを身につけるといかに便利かは理解できるが、まずそれを体得しないと使えません、みたいなことで、のSKELLなどのコーパスの使い方を具体的に説明しながら、あくまで地道な勉強の必要性が説かれる。会話スキットをペアで演じさせるのはそこに出てくる言い回しそのものを覚えさせるためだとか(だから無意味)、多読学習法は神話だとか、語学教師の端くれにとっては首を傾げざるを得ない話も多々あったが、赤ちゃんはLとRを完璧に聞き分けられるとか、フィンランド人はなぜ英語が得意か、といったエピソードは楽しく読めた。

    引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3HDBV8EKZJS48/ref=cm_cr_arp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4004318602

    どういう層がターゲットなんだろう?
    この書で触れられている日本語~英語の意味のズレ、といったものはある程度英語に親しんだ者には自明のことではないでしょうか。少なくとも自分はそうでした。単複、冠詞の問題も。

    自分はいわゆる多読で一定程度までの英語力にたどり着いたと思います。その中で「ここ、よくわからないなあ」→(少し考えて)「ああそういう意味だったのか」というのは数えきれないほどあります。おそらく著者の想定する「多読」というのは、「適当に深く考えずに読む」という定義ではないかと思いますが、多読をしていてまったく「う~ん」と考え込まない人っているのかなあ? 前提がかなり極端な気がします。多読の否定はかなりムリクリ、結論からむりやり導いたものです。

    著者のいう「精読」は、多くの英文に触れることをなしにその理解ができるのかどうか・・・。
    日本の英語学習本はパブリシティで極端に振れることがほとんどで、この書も(内容はマトモですが、別にものすごく新しいことを書いてあるわけではない)その例に漏れません。
    一定程度に英語を学んだ人には自明のことであり、あまり触れてこなかった人にはよく意味がわからないんじゃないか?という気がします。

    引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/RFU0Y14N1BWGM/ref=cm_cr_getr_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4004318602


    英語独習法」の評価

    リン先生
    「英語独習法」の評価について述べます。
    結論

    ◆おすすめ度
     ★★★★★★|★☆|☆☆
     (10点満点中の7点…英語学習者万人に薦めるほどではないが参考になる箇所がある。)
     
    ◆おすすめできるか
     中上級の英語学習者で英語ネイティブの感覚を身につける具体的な方法を知りたい方にはおすすめできるかと思います。

    ◆読後の効果
     具体的な学習法が示してあり、この方法に従えば一定の効果があると思います。
     なお、このブログの管理人である私も「ニュアンスを踏まえて通翻訳できる」レベル(CEFR-C2)を目指すためにこの学習法は実践しています。

    ◆本書の評判
     2022年8月現在、Amazonの評価は4.1。
     良い評判は「仕事で使える英語を目指す人にはよいヒントがたくさんある」。
     悪い評判は「本書の学習法は莫大な時間を要する」です。
     評判はそのとおりだと思います。

    ◆本書の価格
     紙の書籍で968円。
     また、kindleでも同じ値段です。
     多くの方には気軽に買える値段設定なので気になったら買ってみるのもありだと思います。

    ◆向いている方
     ・英語ネイティブの感覚を身に付けたい方。
     ・多少の手間、時間がかかる学習法に耐えられる方。

    ◆向いていない方
     ・資格試験の攻略法を知りたい方。
     ・多少の手間、時間がかかる学習法に耐えられない方。

    まとめ

    リン先生
    以上「今井むつみ著『英語独習法』レビュー、要約するとどんな勉強法?」のお話でした!。

    タイトルは「英語独習法」にはなっていますが、実態は英語ネイティブの感覚をつかむための具体的な学習法を提示する本かと思います。


    学習法は多少の手間、時間がかかるものかと思いますが、CEFR-C1以上を目指す方にはよい本かと思います。


    CEFR-C1以上はニュアンスも気にして英語運用を気にするレベルだからですね。


    さてエイコちゃん、この本の感想は?

    エイコ
    今の私にはちょっとレベルが高い本ですけど、レベルアップしたら読んでみたいと思いました!

    ありがとう。


    さて本ブログでは、このように英語関連書籍を紹介してきます。


    もし気になる本があればこのブログ経由で買っていただけるとありがたいです。


    それでは。

    リン先生
    Let’s do it!


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