


今回は、「バカでも英語がペラペラ! 超★勉強法」(タロサック)です。


えっとねこの人は有名なYouTuberなの。
2023年9月時点で登録者80万人のYouTuberね。

さて、そんなインフルエンサーの方が2023年1月に出版したのがこの本。
英会話上達法をメインに話している本になります。

うん。
それについては、後で話すわね。
さて、この本に関しても科学的視点と定質的視点でレビューしていきます。
結論だけ知りたい人は、ここからジャンプできるから見てください。

書籍まとめ記事はこちら
それでは「『バカでも英語がペラペラ! 超★勉強法』レビュー!」と題してレビューをします。
「バカでも英語がペラペラ! 超★勉強法」の概要

まずは著者の紹介から。
著者はタロサック氏。
登録者80万人のYouTuberです(2023年9月現在)。
(本書220ページ目から引用)

そうだね。
彼のYouTubeを拝見したけど、ネイティブとちゃんと対話している素晴らしい英会話力をもっていることを感じたわ。
さて、この本が何を狙いとする本かについては次になります。
これから、ボクの英語勉強法を余すところなく、お伝えしていきます。
(本書15ページ目から引用)
この本では英会話力と同時に英語を使った”コミュ力”も高められるような、ボクの経験から得た方法について詳しく説明していきます。
(本書17ページ目から引用)
著者の英語勉強法、英語を使った”コミュ力”を高める本ということになります。

抜粋するとこんな感じになるわね。
(本書53ページ目から引用)
発音を気にするより最後まで大きな声で話す It is more effective to speak louder till the end rather than to worry about pronunciation.
(本書76ページ目から引用)
英語学習のモチベーションを維持するためには? How do I stay motivated to learn English?
(本書214ページ目から引用)
英会話もしくは英語学習、英語のコミュニケーションを身につける上でオーソドックスな内容が多い印象だったわ。
「バカでも英語がペラペラ! 超★勉強法」レビュー

エビデンスレビュー

内容は概ねオーソドックスな勉強法でした。
ただ、いくつか気になる内容があったのでピックアップしました。
インプット3割・アウトプット7割
これまで読んだ本のなかの印象深い1冊で、精神科医・樺沢紫苑先生は、「脳科学的にインプットに3割・アウトプットに7割の時間を費すことで、最も効率的に脳に刻まれる」という主旨のことをおっしゃっています。
「バカでも英語がペラペラ! 超★勉強法」p25から抜粋
理想的な割合は、再三お伝えしているように「インプット3割:アウトプット7割」
「バカでも英語がペラペラ! 超★勉強法」p174から抜粋
本書でこのように「インプット3割、アウトプット7割」が強調されています。
この主張の元となる論文を辿ると1917年にコロンビア大学から発表された論文になります。
次のリンクですね。

参照文献リンク
ただこの論文を本当に読み解くと「インプット3割、アウトプット7割」という主張は誤解を生む解釈になることが分かります。

うん。
詳細は次の記事にあるから気になったら読んでみてね。
エビングハウスの忘却曲線
時間の経過とともに記憶量がどう変化するか?これについては、「エビングハウスの忘却曲線」という有名がグラフがあり、人の記憶が時間の経過とともに急速に失われていくということがわかります。
「バカでも英語がペラペラ! 超★勉強法」p137から抜粋
20分後には42%、1時間後には56%、1日後には74%、1週間後には77%、1か月後には79%という、驚くほどのスピードで忘れていくそうです。
このエビングハウスの忘却曲線なんだけど、この曲線図は問題があるの。
そもそもの実験が記憶定着率を導き出すものでないからね。
- 被験者はエビングハウス本人→1人だけなのでエビデンスの質として注意
- 彼が覚えたのは意味あるデータではなく無意味な音節→多くの学習者は有意味事象を覚えるのでは
- 彼が出した曲線は節約率(※)であり→記憶定着率ではない
- 節約率の曲線は緩やかな減少カーブではなく
※例えばある事柄を新規学習で覚えるのに5分時間がかかり、復習で覚えるのに4分かかった場合、
節約率は20%

これもそうなの。
エビングハウスの忘却曲線で緩やかな減少カーブを例示する人がいるけど、あれは果たして何なのかしらね?
エビデンスレビューまとめ
・・・ということで、エビデンスとして質に問題がある説明がありました。
情報を発信する著者としてはファクトチェックや情報の信頼性の確認をして欲しいですね。
定質レビュー

良い点
強い言葉や断言により読者の行動が促されやすいことです。
例えば本の帯には「ボクでもできたんだから みんな絶対、話せるようになる!」とあります。
このように「絶対」「必ず」等の言葉や断言を使った強い言葉は読者が自信を持ち、実際に何かを行動に移すきっかけができる場合もあります。
気になった点1
良い点の裏返しになります。
このような強い言葉に従って、希望することを読者が実現できなかった場合、読者は失望する可能性があります。
また、誤った期待を読者が抱くこともあります。
気になった点2
英会話は”コミュ力”が9割
「バカでも英語がペラペラ! 超★勉強法」p25から抜粋
2010年代のビジネス本では「◯◯が9割」というタイトルの本が多く出版されたわね。

確かにインパクトがあるタイトルだけど、これは何らかの事象や成功が一つの要素にほとんど依存しているという考えであり、他の多くの要素を無視しているという状態と取られかねないわね。

「英会話は”コミュ力”が9割」という言葉。
英会話でコミュニケーション力は大事だけど、英会話のスキルはコミュニケーション力だけでなく、文法、語彙、発音、文化的理解など多くの要素から成り立っている。
この「英会話は”コミュ力”が9割」という言葉は、コミュニケーションの重要性を強調しているけど、それ以外の要素を矮小化しているようであり、読者がその情報を真に受けたら非効率な勉強法になってしまわないか私は気になったわ。

定質レビューまとめ
定質レビューまとめです。
本書はビジネス書らしい一面もあり、断言、強い言葉、「◯◯が9割」といった定型句といったものが登場していますね。
これらを真に受けるのではなく、批判的思考(クリティカル・シンキング)で読者は考えて欲しいと思います。
「バカでも英語がペラペラ! 超★勉強法」の評判

良い評判

英語学習・英会話学習のモチベーションが爆上がりする内容です。
引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3F5TIWQOVS4OJ/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B0BNHCCB2B
英語学習・英会話学習のモチベーションが爆上がりする内容です。特にコミュ力が大きな要因となっていることが分かりました。それらを促進するためのテンプレート的な会話を多く紹介してくれているのが有難いです。
YouTuberタロサックの本
引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R33HULFME3EN94/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B0BNHCCB2B
2年くらい前からタロサックのインタビュー動画にハマり、彼が本を出すと言っていたので直ぐに買いました。タロサックが英語を全く話せないところからどうやって現在のようにペラペラ話せるようになったのかは知っています。この本とYouTubeを利用して私もspeaking力向上したいです!
読むだけで頭の中がグローバル化
引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/RM7GNCDE3FBS3/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B0BNHCCB2B
最初は買って損したと思いながら読んで行きましたが、終盤で確信しました。 誰だって可能性は無限大なんだってことを。 自分の人生まだまだこれからだってことを気づかしてくれてありがとうございました。
悪い評判

面白さはある!
引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1YZQY3YYPMOPC/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B0BNHCCB2B
ところどころに矛盾があり、さっきまでの言ってたことは?って感じたところもあったけど、モチベーションアップには役に立ちます。それと海外で暮らしている方のなんの縛りのない意見(学者さんや出版社への忖度なし)にはためになることがたくさんあるかなと思います。
面白い
引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R19VH5OSSMSEYW/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B0BNHCCB2B
本の内容として面白いです。まだ説明には深い情報が必要です。
「バカでも英語がペラペラ! 超★勉強法」の評価

◆おすすめ度
★★★★★★|☆☆|☆☆
(10点満点中の6点…英語学習者万人に薦めるほどではないが一部参考になる箇所がある。)
◆おすすめできるか
英語のレベルが高くなかった人が、ネイティブとスムーズに話せるような追体験をしたい人には良いかもしれません。
◆読後の効果
ビジネス書らしさがあり、断言、強い言葉が登場します。
個人的には勉強法やハウツーが得られるというよりも、英会話のモチベーションが上がりそうという感触です。
◆本書の評判
2023年9月現在、Amazonの評価は4.0。
良い評判は「モチベーションが上がる」。
悪い評判は「所々に矛盾がある」です。
評判どおりかと思います。
◆本書の価格
紙の書籍で1,650円、Kindleで1,336円です。
英会話のモチベーションを上げたい方にはよいかもですね。
◆向いている方
・英会話ができない人で、ペラペラになるためのモチベーションを得たい人
◆向いていない方
・元々英会話のモチベーションが高い方
・英会話フレーズをがっつり学びたい方
まとめ

本は6点の評価ですけど、彼の英会話は素晴らしいので気になった方は彼のYouTubeを見てくださいね。

では、最後に本のリンクを貼っておきますね。

さて本ブログでは、このように英語関連書籍を紹介してきます。
もし気になる本があればこのブログ経由で買っていただけるとありがたいです。
それでは。

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