

1冊の英語関連書籍をピックアップしてレビューします。
今回は・・・

今回は、「英語の多動力」(堀江貴文著)です。


そうよ。
堀江氏は経営者で色々なビジネス本を出版されているけど一冊だけ英語関連書籍があるの。
これがこの本ね。
本記事ではこの本について触れていきます。
毎回ながら科学的視点と定質的視点でレビューしていきます。
結論だけ知りたい人は、ここからジャンプできるから見てください。

書籍まとめ記事はこちら
それでは「『英語の多動力』、要約するとどんな本?」と題してレビューをします。
「英語の多動力」の概要

今回は著者の紹介は省きます。
あまりにも有名なお方なので私が説明するまでもないでしょう。

さて本書ってどんな本なのか?
中身はどんなことが書いてあるのか?
気になる方はいますよね。
これらの話をセブセクションで話しますね。
要約すると


ただ要約の前に、「多動力」という考えを説明します。
この言葉をつくったのはおそらく堀江氏だと思いますが次の意味になります。
「多動力」とは何か。それは、いくつもの異なることを同時にこなす力のことを言う。
東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/173521 より引用
しかし、「多動力」がある人は、次から次に、興味が移り変わってしまい、まったくもって落ち着きがない。モノは忘れるし、なくすし、不注意でケガだってする。やるべきことをしていないのに、やりたいことばかりしてしまう。
「多動力」が仕事に生きる時代へ変わった
この「多動力」。かつては、マイナスでしかなかったかもしれない。「多動力」を仕事に生かす場面は少なく、おかしな人だと思われていたはずである。しかし、これからの時代は「多動力」こそが最も必要な能力だ。
そして「英語」×「多動力」で世の中で活躍できる人材になろう…と主張しているのが冒頭部です。
ただ、この本を要約すると英語学習本というよりも啓発本の印象が強いです。
ですので、「まずは1つのことにとことんハマれ」「『自分がバカ』であることを知っている人は強い」といったトピックがどんどん登場します。
世の中で活躍できる人材になるためのマインドセット(英語を多少絡めて)を38個のトピックで述べているのが本書ですね。
この本に何を求めるかを考えた上でこの本を手にとってみるとよいかもしれません。

少しだけ中身の紹介


そんな時代に英語学習は必要か?
そんな時代とはAI翻訳が台頭してきている時代のことを指す。
人によっては「スマホのAI翻訳があるから英語はもう勉強しない」って言う人はいるかもしれない。
だけど、「今日ご飯いかない?」って英語話者の知人・同僚に話しかけるとき、いちいち翻訳機を取り出すのってどうかしら?

うん、自分で喋る方が圧倒的に速いわよね。
「AIは手助けしてくれるけど自分で喋れたら圧倒的に早い。英語を学ぶ意義はそこにある」ということを本書で主張しているわ。
これは個人的によい意見だと思う。
なぜ英語を学ぶのか?
これは英語学習のインフルエンサーや英語本の著者が多く述べていることね。
「海外旅行を一人でできるようになりたい」「英語ネイティブの彼氏彼女がほしい」といった具体的な目的がないと英語学習を続けるのは難しいだろうという話ね。
本書ではQQ Englishの創業者・藤岡頼光さんの話があるわ。
「大好きなバイクの話をしたい」という一心で英語を学び始め、紆余曲折を経て最後は英語の学校を作ってしまったという話。

英単語は妄想で覚える
これは堀江氏が東大受験に備えて、苦手だった英語を勉強するために200ページあった単語帳を70日で覚えたという話。
堀江氏の覚え方にはコツがあって「実際に自分が話し相手に向かってこの単語を使っているところ」を想像した…
ということをやられたみたいね。

精緻化の覚え方は悪くないと思う。
だけどね、どうしても次の言葉は気になってしまうかな。
200ページくらいあった単語帳を1日見開き2ページ。100日でやる計画だったところ、前倒しして70日くらいで達成した。
「英語の多動力」堀江貴文著、225ページから抜粋
これくらいのことは強い目的さえあれば誰だって気合でやってのけられると僕は思っている。
センター試験の英語は200点満点中、170〜190点、二次試験の模試(英語)は120点満点中、80点を取れるようになっていた。
あくまで「思う」なので堀江氏の感想だけど、n=1、サンプル数1の話なので、読者は注意したいわね。
n=1、サンプル数1の話に注意したい理由はこの記事でも書いているから気になったら読んでくださね。
この記事です!
「英語の多動力」レビュー

エビデンスレビュー

まず本書の毛色としては啓発書なのでエビデンスの提示はありませんでした。
提示はありませんが、本書における主張を
- 科学的に妥当なもの(管理人がエビデンスで妥当性を示すことができる)
- 科学的に妥当でないもの(現状エビデンスは見つからない、エビデンスに反する)
で示します。
ページ数 | 主張 |
---|---|
科学的に妥当な主張 | |
68 | 英語を習得するには、あと1760時間かかる →アメリカの外交官育成機関FSIのデータ |
科学的に妥当でない主張 | |
12 | Would, Couldなんて要らない →英語が使われる現地に行けばWouldやCouldなんか使わなくても、もっと簡単な英語だけで十分に言いたいことは通じるはず…という主張 →wouldはCOCAコーパスで49位、couldは75位。60万ある単語でTOP100位にある単語を要らないと言うタイトルは無理があるのでは?「小難しい単語は要らない」なら理解できるが。 |
214 | インプットよりもアウトプット →第二言語習得論ではインプットもアウトプットも両方必要であるが、インプットを重視 |
225 | 200ページくらいあった単語帳を1日見開き2ページ。100日でやる計画だったところ、前倒しして70日くらいで達成した。これくらいのことは強い目的さえあれば誰だって気合でやってのけられると僕は思っている。 →堀江氏の経験 |
229 | 映画でリスニング力は伸びない →SLA第一人者の白井教授いわく、自身が80%理解できる教材がよい |
…ということで科学的に妥当かどうかで検証した結果が上記の表です。
少なくとも私の目では妥当でない主張は4つありました。
ですので、有名人の主張といえども科学的裏付けがあるかどうかは自ら吟味する必要があると思います。
定質レビュー

良い点
基本的に視座が高い本なので応用が聞くということです。
「サボれない仕組みを作れ」や「悔しい体験をもっともっと重ねる」といったトピックがありますが、英語学習以外にも活用できるでしょう。

気になった点
1つ目はエビデンスが見つからない主張があることです。
これはエビデンスレビューで述べたとおりです。
2つ目は視座が高い本であることの裏返しですが、具体的な勉強法の提示は少ない印象です。
一般的な英語学習本に比べるとですが。

「英語の多動力」の評判

良い評判

英語という「ツール」を習得する意義とその使用法について再確認できる一冊
引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3QTY7QARUJDMI/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4887246137
本書は、①英語を学ぶ意義、②英語の学び方の2点について再確認できる一冊である。
①英語を学ぶ意義については、
「たいていの人が「日常会話」や「ビジネス会話」とおおざっぱなことを言う。具体的なイメージがない。(中略)コミュニケーションの本質は「シェア」だ。シェアしたいことがないのなら、そもそもコミュニケーションを取る必要がない」(p.85参照)としており、話したい(シェアする)内容の方が重要であることを述べている。 また、
「情報を持たなければ、人は恐怖にかられる。人間の恐怖の大半は情報不足が原因だ。新しい情報を獲得し続けて思考していれば、不安や恐怖は克服できる」(p.151)としており、恐怖を克服するため、言語圏を超えた情報収集が必要であると展開している。
②英語の学ぶ方については、
「「勉強中スマホが気になって集中できない」そんな悩みを抱える人には日本の女子高生が作った
「STUGUIN」という勉強支援アプリが使える」(p.108)
「サボれない仕組みを作れ」(p.109)
「勉強することを「何かを我慢すること」だと思っていないだろうか?(中略)”我慢の時間”ではなく、”ワクワクする時間”に変える。そんなふうに意識できる人は強く、物事に成功している」(p.176)
など、具体的な方法論だけでなく、モチベーションの継続法についても紹介している。
以上のことから本書は、英語という「ツール」を学ぶ意義・方法について再確認できる一冊である。
英語を学ぶ理由や方法が所狭しと書いてある。
引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R29YUR5X0BXFJA/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4887246137
今、英語を学ばなければならないこと、どうやって学ぶのか、そんなことが書かれている。
人間皆自分に甘い。時間がない、というのは言い訳に過ぎない。そう筆者は指摘する。
そうやろうな、と納得する。本当に今ややろうと思えばいつでもなんでもできる。知らず識らずのうちに無駄な時間を過ごしているのだ。
自分は便利さゆえに、同時に色々やってしまい、結局何も集中できておらず、何も獲得出来ないぱたーん、残念や。
そうだよね、英語に触れようよって本
引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/REITBGLF2F3CW/ref=cm_cr_getr_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4887246137
スマホを英語表示にしたり、環境に英語を取り入れようって本。 いろんな本が似たようなこと書いているけどカジュアルに話す人だからすんなり入ってきやすい。 HIUの宣伝や堀江さんが関わった企業の宣伝が多少うざいが流し読みする時間があればグダった英語学習に喝は入る。
悪い評判

「多動力」と内容重複
引用 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R2M45YKK41LXYS/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4887246137
・could,wouldは不要
・疑問への返答に対し、yes,noだけでなく、フルセンテンスで返す
・英語音声の映画視聴でリスニング力は伸びない。好きなセリフを丸暗記する。
ホリエモンならではの具体的な英語メソッドは少なめです。
それよりも、今なぜ英語なのか、具体的にどのように習得すべきなのか?といった高い視座の話が多めです。
一部内容が本家多動力と重複しています。ホリエモン信者なら手にとってみてもいいかもしれません。 以下参考になった点です。
・レア人材になるには外資より日系企業。英語ができることが希少価値になり、仕事を任せてもらえる。
・情報は完璧に覚えるのではなく、浴びるくらいの感覚でいい。教材をハシゴしても、続けることが大事
・インプットよりもアウトプット。初めて知った単語はすぐ使う。実際に外国人と話すのがいちばんのアウトプット
引用 https://books.rakuten.co.jp/rb/15557062/
ネイティブの子供が覚える順に勉強するというのが、良い点だと思います。
最初に、この本には英語の”勉強法”は一切書かれていませんので、それを期待しているなら買わない方がいいです。
勉強法というよりは、英語を学ぶ姿勢が書かれていると言った方がいいかもしれません。
6人の著名人に英語に関するインタビューをしたものが掲載されていて、こちらも参考になります(しかし、恐らく堀江さんが直にインタビューしたわけではない)。
・村上憲郎(元グーグル日本法人名誉会長)
・藤岡頼光(QQ English創始者)
・坪谷ニュウエル郁子(東京インターナショナルスクール理事長)
・三木裕明(映画プロデューサー)
・竹林(某ラグジュアリーブランドCEO)
・イムラン・スィディキ(コペル英会話校長)
堀江さんの過去の著書と重複する話が結構あるので、そこはもうちょっとどうにかならなかったのかなと思います。
一方で、堀江さんらしく、ITを駆使した英語学習の工夫というかツールが随所に散りばめられているので、読んでるその場でアプリインストールしてみたり、サイトにアクセスしてみたりすることをおすすめします。本を読んでから…では遅いですよ。
結局結論としては『お前、教科書使って勉強ばかりしてるから英語使えないんだよ。使ってみろよ』という結論になります。そしてこれは英語が苦手な日本人が、何年も前から気づいてることでもあります。みんなわかっちゃいるけど実践できないんですね。
がんばりましょう。
英語学習について。Inputより早くOutputしよう。 言い訳しないでまずやろう。無料でもコンテンツはいっぱいある。 こういったマインドや行動力がまだまだな人向けの本。今の自分には既知の内容ばかり。
引用 https://books.rakuten.co.jp/rb/15557062/
「英語の多動力」の評価

◆おすすめ度
★★★★★★|☆☆|☆☆
(10点満点中の6点…英語学習者万人に薦めるほどではないが一部参考になる箇所がある)
◆おすすめできるか
英語学習に対するマインドセットが身についていない初級者には良いかもしれません。
◆読後の効果
英語を何のために勉強するのか分からない人が読めば心は動かされるとでしょう。
◆本書の評判
2022年9月現在、Amazonの評価は3.9。
良い評判は「英語学習のやる気が上がった」
悪い評判は「堀江氏の過去書籍と内容が一部かぶる」といったものです。
合っていると思います。
◆本書の価格
紙の書籍で750円、Kindle版だと1,210円です。
買うというよりも、図書館で読めるようになったら読んでみようかなって感覚です。
◆向いている方
・英語学習の心得がない英語初級者
・堀江氏のファン
◆向いていない方
・英語学習のマインドセットが身に付いている方
まとめ

英語学習本というよりも啓発書って印象が強い本ですね。
エイコちゃんはどう感じたかしら?

ご意見ありがとう。
さて本ブログでは、このように英語関連書籍を紹介してきます。
もし気になる本があればこのブログ経由で買っていただけるとありがたいです。
それでは。

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